クレーン及び移動式クレーンの労働災害発生状況(令和3年)

 令和3年においてクレーン等によって発生した労働災害による死傷者数は,図1のとおり1,644人で,前年と比較して55人の増加となっており,また,死亡者数は54人で前年に比べ12人の増加となった。

 これら労働災害のうち,天井クレーン等クレーンによるものは死傷者数780人(全死傷者数に占める比率47.4%。以下同じ。),死亡者数20人(全死亡者数に占める比率37.0%。以下同じ。),移動式クレーンによるものは死傷者数566人(34.4%),死亡者数22人(41.0%)であり,平成15年以降の推移は図2のとおりとなっている。
 また,クレーン等労働災害を業種別にみると,図3のとおり,死傷者数では製造業が688人(41.8%)で最も多く,次いで建設業436人(26.5%),運輸交通業193人(11.7%)の順となり,死亡者数においては建設業が最も多く21人(38.9%),ついで製造業19人(35.2%),陸上貨物運送事業7人(13.0%),その他の事業7人(13.0%)の順となっている。
 本稿では,当協会発行の令和4年版クレーン年鑑に基づき令和3年に発生した54人の死亡災害について分析した結果とクレーン等死亡災害に大きな比重を占めるクレーン及び移動式クレーンを抽出したグラフ及び労働災害事例資料を作成した。
 労働災害防止のための資料として参考になれば幸いである。

図−1 クレーン等による労働災害

   

図−2 平成15年以降におけるクレーン等労働災害の推移
 
 

図−3 令和3年におけるクレーン等による業種別死傷者数及び死亡者数
令和3年のクレーン等による死亡災害(図4)

 
図−4 クレーン等による死亡災害54人の内訳
 
 
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