通 達
突風によって走行クレーンが逸走することによる災害の防止について
都道府県労働局労働基準部安全主務課長殿 基安安発第1127001号
厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課長 平成18年11月27日

 標記災害の防止については,既に平成16年2月16日付け基安発第0216002号「突風によって走行クレーンが逸走することによる災害の防止について」により指示しているところであるが,今般,新潟県の新潟東港においてコンテナクレーン(橋形クレーン)が強風により逸走し倒壊する重大災害が発生したところであり(別紙参照),各局においては本通達に基づく同種災害防止対策について,管内関係事業場に対し改めて指導を徹底されたい.
 なお,今般国土交通省港湾局から,別添1(省略) の全国のコンテナクレーンを有する各港管理者等に対して,別添2(平成18年11月14日付け国港総第612号) の文書によりコンテナクレーンの維持管理・運用等にかかる総点検を行うよう要請されているので参考にされたい.

別紙

コンテナクレーンが強風により逸走し倒壊した災害
発生日時 平成18年11月7日(火)午後2時15分頃
発生場所 新潟県新潟東港コンテナヤード
被災者 重傷1名,軽傷2名
発生状況  
   新潟東港コンテナヤードにおいて,コンテナクレーン(つり上げ荷重56.4トン)が強風により140メートルにわたり逸走してレール端の車輪止めに衝突・転倒した.このため,近くにあった休憩所損壊し,クレーン運転室にいたクレーン運転士1名と休憩所にいた労働者2名が負傷した.
 なお,当該クレーンには,クレーンの走行を止める装置として,[1]車輪のディスクブレーキ,[2]レールを挟み込むレールクランプ(風速16m/sで自動的に作動),[3]逸走防止装置の3種類が装備されており,災害発生当時は[1]と[2]は作動していた模様である.
 
別添1
(港湾管理者送付先)
(省略)
 
別添2
国港総第612号
国港建第167号
国港環第50号
平成18年11月14日
コンテナクレーンを有する各港湾管理者宛
国土交通省港湾局
総務課長
建設課長
環境・技術課長
コンテナクレーンの維持管理・運用等にかかる総点検の実施について
 去る11月7日,新潟県の新潟港(東港)岸壁において,強風下,コンテナクレーン(ガントリークレーン)の倒壊事故が発生したところです.
港湾法第54条に基づき委託した港湾施設の管理を適正にはかるためには,荷役機械等の重要施設についても併せて適正な管理を図って頂くことが必要です.
 また,補助事業等により整備された港湾施設上の荷役機械についても同様に,適正な管理を図って頂くことが必要です.
 そのため,国土交通省として,本事故の重大性から再発防止の一環として,全国のコンテナクレーン(ガントリークレーン)を有する港湾を対象に,同クレーンの適切な維持管理,運用等にかかる総点検を行いますので,下記事項について調査の上,ご報告頂きますようよろしくお願いします.
点検事項 別紙(略)の通り
提出期限 11月27日(月)17時まで
回答方法 別添(略)の様式(エクセルファイル)に記載し,メールにて返信
既存資料等を送付する場合は,メール又はFAX 送付
回答及び問合せ先 港湾局環境・技術課赤津,三崎
E-mail:akatsu-m2i3@mlit.go.jp,
misaki-t852a@mlit.go.jp
TEL :03-5253-8682
FAX :03-5253-1653

(掲載:『クレーン』第45巻 2号 2007年)

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