クレーンの災害事例
CR99111
事  例

フックが外れて被災者にあたる

[原因と対策]
業  種 一般機械器具製造業 機  種 天井クレーン
被  災 死亡 1名 現  象 つり荷、つり具が激突
 
あらまし 災害のあった事業場は工業炉等の製造を行っており,災害発生当日は2台の天井クレーン(それぞれ定格荷重10t,床上操作式)で共づりしたつりビームのフックに,工業炉の一部である箱形鉄骨構造部材(質量13t)の上面4箇所に取り付けられたつり金具を通したワイヤロープとチェーンブロックにより玉掛けし,所定の場所に移動させたうえ組み立て作業を行うことになっていた.
構造部材全体の形状が複雑であったので,あらかじめ4箇所すべてのつり金具に玉掛けして同時につり上げると荷がバランスを失うおそれがあったため,被災者を含む3人の作業員が以下の手順で荷上げをすることになった.
1 つりビームのフックに,両端アイつき玉掛け用ワイヤロープ1本と2つのチェーンブロックを掛け,クレーンを構造部材の上に移動させる.
2チェーンブロックはそのままぶら下げた状態にしておき,ワイヤロープ両端のアイを2箇所のつり金具に掛ける.
32台の天井クレーンの巻き上げ速度が異なるため,それぞれのクレーンを寸動操作して徐々に巻き上げ,ワイヤロープのたるみをとる.
4チェーンブロックを残り2箇所のつり金具に玉掛けして構造部材全体をつり上げる.
被災者は同僚作業員と2人で部材の上部に上がり玉掛けの準備作業をしていたが,部材の上まで移動してきた玉掛け用ワイヤロープを2箇所のつり金具に掛け,たるみをとるためにクレーン運転士に巻き上げの合図をして巻き上げさせていたところ,突然,バンという音がしてチェーンブロックのフックが飛来してきて被災者に激突した.
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