クレーンの災害事例
CR94121
事  例

壁クレーンが落下

[原因と対策]
業  種 製造業 機  種 その他のクレーン
被  災 重傷 1名 軽傷 1名 現  象 機体、構造部分が折損、倒壊、転倒
 
あらまし 災害の発生した事業場は,ポリエチレンパイプを製造している2交代制勤務の事業場で,この災害は,壁クレーン(つり上げ荷重0.5t)を使用して,スリーブ加工機の金型を交換する作業中に発生した.
スリーブ加工機は,加熱したパイプの端を金型を用いて広げ,パイプを差し込んで,接続することができるように加工する機械で,加工するパイプの直径に応じて金型を交換する必要があった.
災害発生当日の16:00すぎ,スリーブ加工を担当していた早番(8:00〜17:00)の労働者Aは,予定数のスリーブ加工が終了し,次のスリーブ加工のために金型を交換する必要が生じたことから,遅番(16:00〜24:00)の労働者Bと共同して2名で金型の交換作業を開始した.
金型の交換作業は,スリーブ加工台の上部に横方向からボルト止めして固定されている円筒形の金型(重量80kg)を,エンドレス形のベルトスリング(幅25mm基本使用荷重1t)を用いて目通しl本づりにより玉掛けしたままの状態で止めボルトを外し,壁クレーンによりスリーブ加工台から取り外すものであった.
この作業において,止めボルトを外した後,巻上げホイストでつり上げたところ壁クレーンのジブが根元から折れ,つり荷とともに落下した.
このとき,その下方で作業に従事していた労働者A,Bに落下してきたジブが当たり被災した.
事故後,壁クレーンを調査したところ,壁クレーンのジブを支えていたタ一ンバックルのアイボルトのアイの溶接部分が開き,ターンバツクルが外れたため,荷重を支えきれなくなってジブ根元のボスの溶接部が破断したものであった.
 
 
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