クレーンの災害事例
CR94101
事  例

車両積載型トラッククレーンのジブの根元が破断

[原因と対策]
業  種 建設業 機  種 積載形トラッククレーン
被  災 軽傷 1名 現  象 機体、構造部分が折損、倒壊、転倒
 
あらまし この災害は,工場の新築工事において,鉄筋の束を工事現場内の資材仮置場から,鉄筋の地組場へ車両積載型トラッククレーン(つり上げ荷重2.9t)により,運搬する作業中に発生したものである.
災害発生当日の午後1時から資材仮置き場にあった長さ8mの鉄筋の束(重量2.4t)4束と長さ5.5mの鉄筋の束(重量2.2t)2束を車両積載型トラッククレーンを用いてその荷台に積み込んで,鉄筋の地組場まで移送した.
現場に到着するとアウトリガーを張り出した後,Aが玉掛けを,Bがラジコン操作で運転をそれぞれ行い,荷卸しを始めた.
先ず5.5mの鉄筋1束をそのクレーンでつり下ろし,次に同じ長さの鉄筋の2束をつり上げようとして巻き上げ始めたところ,突然クレーンのジブが1段目の付け根の部分から折れて落下した.
そのとき,つり荷の揺れを防ぐため荷を押さえていたAの左手にジブの先端が当たったものである.
事故の発生した車両積載型トラッククレーンは,10tトラックの運転席と荷台の間にラジコンで操作できるクレーンを装備したもので,災害発生時の作業半径は5m,定格荷重は1.6tであった.
なお,破断した箇所は,旋回ポストと基本ジブを繋いでいるボスと基本ジブの溶接部であったが,過去にしばしば過荷重で使用していたため,その溶接部が金属疲労により破断したものであった.
 
 
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