クレーンの災害事例
CR94081
事  例

強風で桟橋の橋桁クレーンが逸走

[原因と対策]
業  種 製造業 機  種 橋形クレーン
被  災 物損のみ 現  象 その他
 
あらまし 事故が発生したクレーンは,工場の専用桟橋に設置されていたつり上げ荷重18tのカンチレバー俯仰式橋型クレーンで,船舶の荷役作業に使用されていた.
事故発生当日の朝,クレーン運転士Aは,11時頃に入港する船舶が接岸する際にそのクレーンが作業の障害となることから,他の位置に移動を指示されたため,8時20分頃レールアンカーのある固定位置から移動させ,レールクランプで仮止めをした後,そのクレーンを下りて,別のクレーンでの荷役作業に従事した.
11時頃,風が強くなり,風速20m/秒を超える状態となってきたため,その桟橋で行われていた他の船舶の荷役作業はすべて中止され,予定されていた船舶の接岸も見合わされた.
11時半頃,クレーン運転士Aは,風が強くなったことから,作業開始前に移動したカンチレバー俯仰式橋型クレーンのレールクランプに加え,風下側の東側前脚と後脚に輪止めを行った.
その後さらに風が強まり,15時頃には,風速が30m/秒を超えるような状況になってきたため,当該クレーンのレールクランプと輪止めが破損し,クレーンが逸走して更に走行レール東端のストッパーを破損し,約10m行き過ぎ,脱輪して停止した.
その桟橋には,他に同型のクレーンが3台設置されていたが,荷役作業の中止後,所定の位置にレールアンカーを用いて固定されていたため,災害は発生しなかった.
 
 
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