クレーンの災害事例
CR94051
事  例

修理作業中にジブが落下

[原因と対策]
業  種 建設機械修理業 機  種 クローラクレーン
被  災 死亡 1名 現  象 つり荷の落下
 
あらまし この災害は,建設機械の修理工場において,クローラクレーン(つり上げ荷重150t)の上部基本ジブ(長さ11m,重量3.1t)のシーブガード(巻上げ用ワイヤロープの外れ止めのためにシーブに沿って取り付けられた直径19mmの鋼棒)の変形を修理する作業中に発生したものである.
この作業は,つり上げ荷重50tのクローラクレーン(ジブ長さ19m)を用いて当該ジブの先端付近を繊維ベルト(幅75mm,長さ5.8m,厚さ10mm,両端にアイが設けられたもの(ベルトスリング)で使用荷重4t)により玉掛けしてつり上げ,根本部分を接地した状態に保持しながら,変形したシーブガードをチェーンレバーブロックで下方に引っ張り,変形を矯正するものであった.
玉掛けは,当該ジブの先端から1.6mの位置の側板(厚さ6mmの鋼板)の穴(直径20cm)に繊維ベルトを通して行われ,チェーンレバーブロックの片側は,仮置きしてあった鋼管に固定されていた.
災害は,当該ジブを玉掛けし,仮置きしてあった鋼管の位置までジブの先端方向に約3m引きずりながら移動し,チェーンレバーブロツクを掛けて引っ張り始めた途端,繊維ベルトが切断したため,チェーンレバーブロツクをジブの下で操作していた作業員の上に落下したものである.
繊維ベルトは,ちょうど鋼板の穴の位置で,ほぼ直線的に切断していた.
 
 
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