クレーンの災害事例
CR94011
事  例

修理中に上部旋回体に挟まれる

[原因と対策]
業  種 土木工事業 機  種 トラッククレーン
被  災 死亡 1名 現  象 機体に接触して挟圧
 
あらまし この災害は,道路橋架設に使用した足場の解体作業において,足場部材の移動に使用していたトラッククレーン(つり上げ荷重20t,伸縮ジブ最大長さ39m)で発生したものである.
当日朝,下請けの移動式クレーン運転士Aと補助者Bは,工事現場に駐車させておいたトラッククレーンを元請けの指示により,当日の作業位置に移動させ,アウトリガーを最大に張り出して設置した.
その後,前方の安定度を改善するフロントジャッキを降ろそうとしたが,操作バルブが不調であったため,フロントジャッキは動かなかった.
しばらく,二人で,操作バルブの点検を行い,フロントジャッキを降ろそうとしていたが,足場の解体が進み,部材が溜まってきたので,当面の作業には支障がないことから,Aがトラッククレーンを運転し,足場部材をつり上げて移動させた.
その後,足場の解体作業が進むのを待つ暫くの間,フロントジャッキの補修を二人で行っていたが,再び,足場部材が溜まってきたので,Aは,Bにクレーンを運転することを伝え,運転席に乗り込んで,ジブを玉掛け位置まで旋回させ,荷をつり反対側に旋回させたところ,異常を感じたため,作業を中止した.
Aがトラッククレーンの周囲を確認したところ,Bが上部旋回体と台車の間に挟まれているのを発見した.玉掛けに時間がかかったことから,Bは,その間にフロントジャッキの補修を行っていたものと思われる.
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